The Sense of Wonder
1962年に農薬による環境汚染を警告した『沈黙の春』を出版したレイチェル・カーソン。先日、地元の書店に立ち寄った際、このカーソンの『The Sense of Wonder』の訳書『センス・オブ・ワンダー』(上遠恵子訳)があり、購入しました。『センス・オブ・ワンダー』とは『美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目を見張る感性』で、カーソンはこの『センス・オブ・ワンダー』を育むことの重要性を美しい文章で繰り返します。この作品は1956年に「ウーマンズ・ホーム・コンパニオン」という雑誌に掲載されたものですが、『沈黙の春』執筆中に癌におかされた彼女が残された時間の中で最後に伝えたかったのが『センス・オブ・ワンダー』の重要性だと言われています。
私が購入した本は、後付けによると1996年に出版されたこの訳書の第52刷で2010年2月に発行された版です。原書はカーソンの死の翌年(1965年)に友人たちによって出版されています。原書の出版から50年近くたった今も多くの人に読み続けているのは、現代が『センス・オブ・ワンダー』の心を持ちにくくなっているからなのかも知れませんし、彼女が『沈黙の春』で告発した環境汚染とは違う形での環境問題が起きているからなのかもしれません。
昨年、『The Sense of Wonder』を映画化した『レイチェル・カーソンの感性の森』が日本でも公開されましたが、見逃してしまいました。自主上映という形で各地で上映されているようなので、どこかで見てみたいと思っています。
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