改訂109版

昔、岩波書店の日本古典文学体系の本を何冊か読んでいた頃、基本的な古文読解力を得ようと、小西甚一著「古文研究法」を古本屋で入手しました。読書録を調べたら、以下でしたので、「古文研究法」は1980年代に入手したのでしょう。

  • 1983年 宇治拾遺物語
  • 1984年 落窪物語 堤中納言物語
  • 1985年 上田秋成集
  • 1989年 方丈記 徒然草

岩波の日本古典文学体系はこの後1989年から改訂版として収録書目を一部入れ替え、新日本古典文学体系となり、こちらも何冊か購入したもののいつかは読み(初め)たいと思いつつ、未読のままでした。数年前、「古文研究法」(洛陽社)がいまだに販売されている事を知り、新本を購入しました。

最近、在宅時間が長くなったこともあり、古典文学に再チャレンジということで、自分が持っている「古文研究法」を手に取って奥付を見たら、

  • 1955年9月10日 初版発行
  • 1965年12月20日 改訂版発行
  • 2012年2月25日 改訂109版発行

小西甚一は2007年に亡くなられているようなのですが、なんと改訂109版。

行方不明になっていた、古本の「古文研究法」も出てきました。こちらの奥付は

  • 昭和30年9月10日 初版発行
  • 昭和40年12月20日 改訂版発行
  • 昭和41年4月30日 改訂8版発行

「古文研究法」は今もちくま学芸文庫として販売されており、武藤康史の書評「小西甚一『古文研究法』ができるまで」によると

『古文研究法』のその後の版の奥付を見ると昭和四十年に「改訂版発行」となっているけれども、これは大きな改訂のことであり、「改訂版のあいさつ」が示唆するごとく、増刷のたびに改訂が繰り返されていたのだ。

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