永遠の現在
脳科学に関心のある人なら、てんかん治療のための脳手術の結果、記憶することができなくなった事例について本で読んだ人は多いのではないでしょうか。今では海馬が記憶のメカニズムで大きな役目を果たしてることは一般にもよく知られていますが、1953年に行われたこの手術で海馬が切除された結果、記憶に障害をきたし、結果的に海馬と記憶の関係が認識されるきっかけとなったというような文脈で書かれていることが多いように記憶しています。
この手術後、永遠の現在形を生きることになった患者H.Mことヘンリー・モレゾンの生涯について書かれた本の邦訳本を最寄駅の書店で発見。全く知らなかったのですが、手術を受けた時、27歳だったヘンリーは2008年まで生存していたのですね。