わかくないことについて
日本語には形容詞【わかい】の反対の意味を表す形容詞がないことを最近知りました。たしかに、「【わかい】の反対語は?」と問われれば、「老いた」とか「年(を)取った」とか答えるでしょうが、いずれも「〜い」で終わる形容詞ではないですね。
言葉に関する本を読むのは好きなのに、今まで知らなかったのは不思議な気がします。それとも、どこかで読んだのに忘れてしまったのでしょうか?(これは多いにありそうですね)
そもそも形容詞はモノの性質や特徴、気持ち、味、手ざわりなどを表現する言葉なので、身の回りにあるいろいろなモノのどの部分を同じと認識して形容詞として切り出すかは万国共通ではなく、「それぞれの言語を使う人々の文化を反映している」あるいは「ぞれぞれの言語によって、モノゴトの認識の仕方が決められてしまう」のですが。ということは、日本語を使う日本の文化には、【わかい】の反対の意味を表す概念がなかったというということなのでしょうか。
英語ではoldという形容詞がありますが、oldはyoungの反対語ですが、newの反対語でもありますね。形容詞が世の中をどう切り取るかは言語毎の違いがあり、面白いですね。例えば、「ひくい」は「たかい」の反対語ですが、「(価格が)たかい」の反対語は「やすい」なのですよね。