ウィーンの世紀末建築めぐり その1
19世紀末のウィーンでは、バロックやロココといった荘厳できらびやかな建築スタイルと異なる過剰な装飾を排した斬新な建物群が建てられました。
「世紀末建築」と呼ばれているこれらの建物を見るのも今回の旅の目的のひとつです。
ウィーン滞在2日目の24日に分離派会館を訪れました。
分離派会館はエゼフ・マリア・オルブリヒ設計。1897-1898年。
月桂樹の葉を型どった金色のドームは遠くからでも目立ちます。自然をモティーフにした装飾はよく知られていますが、実際に見ても今なお斬新です。地下展示室にはクリムトの三連フレスコ画のベートーヴェン・フリーズがあります。
ウィーン滞在3日目の25日はオットー・ヴァグナー設計の
マヨルカハウス&メダイヨン・マンション 1898-1899年
カールスプラッツ駅舎 1898年
カイザーバート水門監視所 1906-1907年
郵便貯金局 1904-1912年
を訪れました。
マヨルカハウスの装飾。マヨルカハウスと呼ばれるのは壁面の花模様がマジョルカ焼きのタイルでできているからです。
メダイヨン・マンションの装飾。壁面の女性の顔が彫られたメダルに注目。
メダイヨン・マンションの屋上には天に向かって叫ぶ女性の胸像が。
マヨルカハウス&メダイヨン・マンションは地下鉄のケッテンブリュケンガッセ駅からすぐのところにあるのですが、この駅のすぐの所に食料品市場が立っていました。
旅行ガイドにも載っている「ナッシュマルクト(食い道楽)」という有名な市のようです。
世紀末建築クルージングは一旦休止して市を楽しみました。いろんな香辛料を売っている店もあるのでエスニックな香りでいっぱいです。レストランもあります。午後にもう一度来てスイカとトマトを買うことにしました。後で考えるとここでもう少しいろいろなものを食べておけば良かった。
カールスプラッツ駅舎。
ヴァグナーの手がけた市営駅舎のひとつとして建設された2棟の駅舎。既に駅舎としては機能していませんが、写真の駅舎はオットー・ヴァグナー博物館として公開されています。向かい合ったもう1棟はカフェとなっています。
カイザーバート水門監視所。
ウィーン旧市街の北を流れるドナウ運河。カイザーバート水門監視所はドナウ運河の水門を監視するために作られた。残念ながらドナウ河本体を見には行けませんでした。
郵便貯金局。
真正面の記念碑は1883年に郵便貯金局を創立したゲオルグ・コッホ。