逆引きH.P. 癒者のいろは

ハリー・ポッターの邦訳本、訳者は松岡祐子さんですが、「原文はどんな表現なんだろう?」と気になる箇所が所々にあり、Harry Potter本に当って見るのが楽しい。

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の第5章「ヌラーがべっとり」を読んでいたら、ウィーズリー家のフレッド&ジョージが作成した(悪戯)望遠鏡にパンチを貰ったハーマイオニーの目の周りの痣をウィーズリーおばさんが治そうする場面がありました。

「どうやっても取れないわ」
ウィーズリーおばさんが心配そうに言った。おばさんはハーマイオニーのそばにたち、片手に杖を持ち、もう片方には『癒者のいろは』を持って、「切り傷、すり傷、打撲症」のページを開けていた。

ここで気になったのは太字になって韻を踏んでいる「癒者のいろは」の原文。
原書でイタリック体になっている部分は日本語訳書では太字になっています。
原文では、「The Healer’s Helpmate」でした。

逆引きH.P. おったまげー

ハリー・ポッターの邦訳本、訳者は松岡祐子さんですが、「原文はどんな表現なんだろう?」と気になる箇所が所々にあり、Harry Potter本に当って見るのが楽しい。

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の第5章「ヌラーがべっとり」を読んでいたら、新学期にハリーがダンブルドアの個人授業を受ける事になった事をロンとハーマイオニーに告げる場面でこんな会話がありました。

「ダンブルドアって言えば、今学期、僕に個人教授してくれるんだってさ」
ハリーがなにげなく言った。
ロンはトーストにむせ、ハーマイオニーは息をのんだ。
(中略)
「おったまげー・・・・・・ダンブルドアの個人教授!」ロンは感心したように言った。

「おったまげー」って表現が流行った時があったような。原文はblimeyでした。

逆引きH.P. 取らぬフクロウの羽根算用

ハリー・ポッターの邦訳本、訳者は松岡祐子さんですが、「原文はどんな表現なんだろう?」と気になる箇所が所々にあり、Harry Potter本に当って見るのが楽しい。

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の第4章「ホラス・スラグホーン」を読んでいたら、新学年で受講する授業について、ハリーとダンブルドアの間で以下のようなやりとりがありました。

「それじゃ、これからはスネイプ先生とあまりお会いしなくなりますね」ハリーが言った。
「だって、O・W・Lテストで『優』を取らないと、あの先生は『魔法薬』を続けさせてくれないですし、僕はそんな成績は取れていないことがわかっています」
「取らぬふくろうの羽根算用はせぬことじゃ」
ダンブルドアは重々しく言った

「取らぬふくろうの羽根算用」の部分は「取らぬ狸の皮算用」のバリエーションでしょうが、貧弱な英語力ゆえ、対応する英語の諺がわかりません。と言うことで「取らぬ狸の皮算用 英語」でグーグル先生に教えを乞うと、「Don’t count your chickens before they are hatched.」との事。

Harry Potter原作でのこの部分のvariationを確認してみると、

‘Don’t count your owls before they are delivered,’ said Dumbledore gravely.

でした。ハリーポッターの魔法界では通信に伝書鳩ならぬ伝書梟が使われていますからね。

逆引きH.P. 爪に爪なし、瓜に爪あり

ハリー・ポッターの邦訳本、訳者は松岡祐子さんですが、「原文はどんな表現なんだろう?」と気になる箇所が所々にあり、Harry Potter本に当って見るのが楽しい。

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の第23章「隔離病棟のクリスマス」を読んでいたら、ハーマイオニーがハリーにクリスマスプレゼントとしてくれた宿題計画帳をフレッドに投げつける場面でこんな表現(訳文)がありました。

ハリーは真新しい宿題計画帳をフレッドに投げつけたが、計画帳はその後ろの壁に当たって床におち、楽しそうな声で言った。
爪に爪なし、瓜に爪あり。最後の仕上げが終わったら、なんでも好きなことをしていいわ!

「爪に爪なし、瓜に爪あり」は日本語の慣用句でしょうから、対応するような英語の表現があるのでしょう。対応する原文の部分は

‘If You’ve dotted the “i”s and crossed the “t”s then you may do whatever you please!’

でした。

英語には、“dot the i’s and cross the t’s“と言う慣用句があり、『iに点を付けて、tに横線を入れる』、すなわち、「注意深く完璧にやる」と言う表現でした。
日本語の「爪に爪なし、瓜に爪あり」は爪と瓜という似た形の漢字の違いを覚える方法という事で、「注意深く完璧にやる」とちょっと意味が違いますが、「then」を「最後の仕上げが終わったら」とすることで、似たような表現の慣用句で対応させたのですね(、多分)。

逆引きH.P. 癒者

ハリー・ポッターの邦訳本、松岡祐子さんの遊び心あふれる訳が所々にあって、「原文はどんな表現なんだろう?」と、Harry Potter本に当って見るのが楽しい。

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の第22章「聖マンゴ魔法疾患障害病院」で入院しているロンの父親を見舞いに行った場面で、こんな表現(訳文)がありました。

「あの人たちは医者なのかい?」ハリーはロンにそっと聞いた。
「医者?」ロンはまさかという目をした。「人間を切り刻んじゃう、マグルの変人のこと? ちがうさ。癒しの『癒者』だよ」

今回気になったのは、「「医者?」ロンは・・・癒しの『癒者』だよ」の「癒者」。原文では何なのだろう

‘Doctors? said Ron,looking startled. ‘Those Muggles nutters that cut peoples up? Nah,They’re Healers.’

Healerでした。なるほどね。

正引きH.P. ひゃっほう

ハリー・ポッターの邦訳本、松岡祐子さんの遊び心あふれる訳が所々にあって、「原文はどんな表現なんだろう?」と、Harry Potter本に当って見るのが楽しい。

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の第21章「蛇の目」でロンとハーマイオニーがハリーとチョウの間のexperienceを問う場面で、こんな表現(訳文)がありました。

「それで − えー − 彼女、何を迫ったんだい?」ロンは気軽な声を装ったらしい。
(中略)
「あなた、キスしたの?」ハーマイオニーがてきぱきと聞いた。
(中略)
ハリーは、好奇心と浮かれだしたい気持ちが入りまじったロンの顔から、ちょっとしかめっ面のハーマイオニーへと視線を移し、こっくりした。
ひゃっほう!
ロンは拳を突き上げて勝利のしぐさをし、それから思いっきりやかましいバカ笑いをした。

今回気になったのは「ひゃっほう」の部分です。ここは原文でどういう表現なのだろう?という以上に興味があったのが、日本語の「ひゃっほう」のほうです。個人的には初めて知った表現でしたので。
ちなみに「ひゃっほう」は原文では「HA!」でした。

逆引きH.P. 参上ちゅうか、下っていったんだがな

ハリー・ポッターの邦訳本、松岡祐子さんの遊び心あふれる訳が所々にあって、「原文はどんな表現なんだろう?」と、Harry Potter本に当って見るのが楽しい。

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の第20章「ハグリッドの物語」でハグリッドとオリンペが巨人を探しに行き、尾根を下って巨人の頭(かしら)に出会う場面で、こんな表現(訳文)がありました。

「なのに、その頭の所まで、のこのこ参上したの?」ハーマイオニーが息をはずませた。
「うー・・・・・参上ちゅうか、下っていたんだがな。(以下略ですが、ここはハーマイオニーの問いに対してハグリッドが答えているところです)」

原文でItalic(斜体)になっている部分は邦訳本では太字になっているのですが、今回気になったのは「下って」の部分ではなくて、2箇所の「参上」、元の表現はどうなんだろう。

原文に当たったら・・・、「成程ね」。

‘And you just walked up to him?’ said Hermione breathlessly.
‘Well…down ter him,(以下略)’

逆引きH.P. 『魔法省はみんなまぬけ』、MMMはどうだ?

ハリー・ポッターの邦訳本、松岡祐子さんの遊び心あふれる訳が所々にあって、「原文はどんな表現なんだろう?」と、Harry Potter本に当って見るのが楽しい。

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の第18章「ダンブルドア軍団」には、こんな表現(訳文)がありました。

—————引用—————
「反アンブリッジ連盟ってつけられない?」アンジェリーナが期待を込めて発言した。
「じゃなきゃ、『魔法省はみんなまぬけ』、MMMはどうだ?」フレッドが言った。
—————引用—————

「じゃなきゃ、『魔法省はみんなまぬけ』、MMMはどうだ?」の魔法省の「魔」、みんなの「み」、まぬけの「ま」は「、」で強調されています。

『魔法省はみんなまぬけ』の『魔みま=MMM』は松岡祐子さんがちょっと工夫して(遊んで)訳したと思いますが、元の表現は何なんだろう。

原文に当たったら・・・

‘Or the Ministry of Magic are Morons Group?’ suggested Fred.

成る程ね。

逆引きH.P. ガード魔ン

ハリー・ポッターの邦訳本、松岡祐子さんの遊び心あふれる訳が所々にあって、「原文はどんな表現なんだろう?」と、Harry Potter本に当って見るのが楽しい。

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の第9章「ウィズリーおばさんの嘆き」には、こんな表現(訳文)がありました。

  1. ガード魔ンのエリックは、また「日刊預言者新聞」の陰に埋もれていた。
  2. フレッド、ジョージ、ジニーは戦いのようなしぐさをしながら歌っていた。
    ホーメン、ホーメン、ホッホッホー・・・・」

原文でItalic(斜体)になっている部分は邦訳本では太字になっているのですが、和本の「ガード魔ン」は太字ではありません。松岡祐子さんが(ちょっと遊んで)訳したと思いますが、元の表現は何なんだろう。
ホーメンは文脈から「放免(無罪)だった」なので、原文ではそれに対応する英語表現の筈ですが、「ホッホッホー」って?
原文に当たったら・・・、「成程ね」。(wizardはIT用語としてのみ知っている方も少なくないかも)

  1. Eric the watchwizard was hidden behind his Daily Prophet again.
  2. Fred,George,Jinny were doing a kind of war dance to a chant that went:He got off,he got off,he got off…’