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東京都品川区立第三日野小学校。この小学校の5年生は図工の時間に校庭に家を建てます。図工の先生は内野先生。先生は10年程前、使用済みの選挙ポスターの掲示板を区からもらい活動を始めました。10代目の家を作った2008年、校舎の立て替え工事で校庭も狭まるため、切りのいい所でやめようと決めましたが、子どもたちや保護者から残念がる声があがり、11代目が着工。定年後2年目の内野先生が再任用で図工専科として学校に残った2009年春のことです。

クラスで選挙で選ばれた3人の班長が話し合い、全員を三つの班に分けます。各班は建設会社の名前や建設計画を相談し、校長先生から「建設許可書」をもらいます。限られた材料をどう使うか、計画した家を建てると言う目標を成し遂げるために何をしなければいけないか、自分がどう考え、仲間の中でどう動くか、等々、考え行動する体験が子どもを豊かにさせます。そして、5年1、2組の六つの家が校庭の隅に立ちます。家が完成すると5年生は家の中で給食を食べます。これが、ほかの学年の子にはうらやましい。

内野先生が大切にしているのは、6年間を通じた、図工の授業での育ちです。5年生で自分の家を作れることを楽しみに、3年生でのこぎりやくぎの使い方を覚える。1、2年生は全校の造形活動にいつも触れながら、「いつか私たちも」と夢をふくらませます。

以上は、2009年6月13日朝日新聞夕刊の『花まる先生 公開授業』という記事に基づいています。

第三日野小学校の図工の時間、2004年に『トントンギコギコ図工の時間』というドキュメンタリー映画になっています。図工を通じての子どもの成長を追った大好きな映画です。独創的な子どもたちの作品にも驚かされます。映画を見て、こんな図工の授業を受けてみたい(受けてみたかった)と思う人も多いと思います。