THEハプスブルク(ハプスブルク展)

THEハプスブルク(ハプスブルク展) が国立新美術館(六本木)で9/25(金)~12/14(月)開催されます。

ウィーン美術史美術館(オーストリア)とブダペスト国立西洋美術館(ハンガリー)の所蔵品からハプスブルク家ゆかりの絵画の75点に工芸品を加え計120点が展示されるようです。

澁澤龍彦が『幻想の肖像』で紹介しているデューラーの『若いヴェネツィア女性の肖像』(ウィーン美術史美術館)も展示されるようです。

ルーカス・クラナッハのユディット

ウィーン美術史美術館のユディット
ウィーン美術史美術館のユディット
シュトゥットガルト州立美術館のユディット
シュトゥットガルト州立美術館のユディット

2008年6月にウィーン美術史美術館を訪れた際、ルーカス・クラナッハのユディットを見ました。

ルーカス・クラナッハのユディットを知ったのは多分、澁澤龍彦の『幻想の肖像』によると思います。

最近『幻想の肖像』に紹介されている絵がどこにあるかを調べていたら、『幻想の肖像』のユディットはウィーン美術史美術館ではなく、シュトゥットガルト州立美術館所蔵とあります。

ちょっと見ると、全く同じように見えますが・・・。

ふたつのユディット?謎は深まるばかりです。

よくよく調べてみると、クラナッハには同じ題材に対し、多くのバリュエーションがあるケースがあるようです。例えば5月のロンドン旅行の際、ナショナルギャラリーで『Cupid complaining to Venus』という絵を見ましたが、蜂蜜を得る為に蜂の巣を盗もうとして、蜂に刺されるキューピッドと、クラナッハ独特の肢体をくねらせたヴィーナスをテーマとした絵は多くのバリュエーションがあるようです。

蜂に刺されるキューピッドとヴィーナスのバリュエーション

〔旅する21世紀〕ブック 望遠鏡シリーズ

仏ガリマール社のガイドブック『Guides GALLIMARD』の日本語版として1990年代に出版された同朋舎出版の『旅する21世紀ブック 望遠鏡シリーズ』は海外の都市もしくは国を深く掘り下げたガイドブックのシリーズです。

残念ながら、同朋舎出版は倒産してしまい、『旅する21世紀ブック 望遠鏡シリーズ』も古本でしか入手できません。最近、イタリア関係でいろいろ刺激を受けていて、『旅する21世紀ブック 望遠鏡シリーズ』のイタリア関連本(フィレンツェ、ヴェネツィア、ローマ)を手に入れたくなりました。

パトリック・ヒューズ 水の都

渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催の『奇想の王国 だまし絵展』に行ってきました。多くの面白い作品の中で観客をびっくりさせていたのが、パトリック・ヒューズの『水の都』という作品。

Bunkamura ザ・ミュージアムの『奇想の王国 だまし絵展』は8/16(日)までですが、連日21:00まで(入館は20:30まで )開館延長されています。お薦めです。絶対楽しめます。Bunkamura ザ・ミュージアムの後は兵庫県立美術館に巡回(8/26日(水)-11/3日(火))するようです。

『コルティジャーネ』の謎

ヴィットーレ・カルパッチョの『二人の娼婦』を初めて知ったのは、澁澤龍彦の『幻想の肖像』。『幻想の肖像』は昭和50年に大和書房から刊行されたもので、昭和45年1月から昭和47年12月まで、「婦人公論」の巻頭の口絵の解説として書かれたものを単行本としたものです。読書録によるとこの本を1982年に読んでいます。

『幻想の肖像』でこの絵について知ってから17年後の1999年に私はこの絵に再び会うことになります。須賀敦子の『地図のない道』に所収の『ザッテレの河岸で』です。

以下、『ザッテレの河岸で』からの引用です。

コルティジャーネ。・・・・日本語でふつう《高級娼婦》というおよそ詩的でない訳語があてられる。・・・・・・この言葉が娼婦を意味するようになったのは、十六世紀のイタリアの宮廷で美と才をもてはやされた、ある特殊な種類の女性たちに由来する。

この人たちを《ただの売春婦》と区別するために、日本語ではわざわざ《高級》という形容をつけるのだが、・・・・・・・

美術館のカタログには、・・・・意外な事実が記されていた。コルティジャーネと信じられ、そう呼ばれてきたこの絵の主人公は、じつはヴェネツィアの旧家の、ごくふつうの婦人たちだというのだ。

澁澤が『二人の娼婦』として紹介したカルパッチョの絵の中の二人の女性が娼婦でないということをこの時知りました。この絵は今では『二人のヴェネツィア婦人(高級娼婦)』とか『二人の宮廷女官』とか呼ばれるようです。

この絵に関する話はこれで終わりではありません。最近読んだ福岡伸一の『世界は分けてもわからない』で、この絵とポール・ゲッティ美術館の『ラグーナでの狩猟』とがもともと一枚の絵であることを知りました。ポール・ゲッティ美術館による様々な調査により、もともと一枚のこの二つの絵の背面には蝶番の跡があり、反対部分を構成する未発見の作品と合わせ、扉絵として制作された可能性が高いようです。

http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/carpaccio_veneziane.html