泰西王侯騎馬図屏風

サントリー美術館で『不滅のシンボル 鳳凰と獅子』が開催されていますが、これは開館50周年を迎えたサントリー美術館が「美を結ぶ。美をひらく。」というテーマのもと開催する以下の3つの企画展の第一弾です。

  • 〈不滅のシンボル 鳳凰と獅子〉 6/8(水)〜7/24(日)
  • 〈あこがれのヴェネチアン・グラス―時を越えて〉 8/10(水)〜10/10(月)
  • 〈南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎 〉 10/26(水)〜12/4(日)

この中で〈南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎 〉に特に興味があります。神戸市立博物館にある泰西王侯騎馬図屏風は知っていたのですが、恥ずかしながらサントリー美術館の泰西王侯騎馬図屏風のことは知りませんでした。刀を鞘に収めているサントリー美術館の方を「静の騎士」、刀を抜いている神戸市立博物館の方を「動の騎士」を呼んでいるようですが、サントリー美術館の名画データベースによると「泰西王侯騎馬図屏風」は

現在神戸市立博物館に所蔵されている「泰西王侯騎馬図屏風」と本来一連のもので、遡ればもとは会津若松城の障壁画であったといわれてい る。キリスト教に多大の理解を示した蒲生氏郷(1556~1596)が、文禄元年(1592)に築城した際のものと伝えられ、江戸時代には八曲一双屏風と して秘蔵されていたともいわれている。とするならば、この屏風は江戸時代250年のキリスト教弾圧時代を密かに生き延び、戊辰の役(1868)の若松城落 城の戦火をも掻い潜ってきたことになる。しかもこのサントリー美術館本の入っている箱には、昭和20年の空襲にも遭遇した旨が記されており、まさに世の変 転の中で翻弄されながら生き延びてきたといえよう。題材の異色さもさりながら、こうした屏風の数奇な運命と歴史の重みもまた感慨深い。

10月が楽しみです。

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