映画『ふみ子の海』の中で『麩』のシーンが出てきます。盲目のふみ子がお麩屋さんから焼きたての麩を貰い大事に持ち帰りますが、盲目ゆえに途中で麩を落として濡らしてしまい悲しみますが、乾けば大丈夫だよと慰められるというようなストーリーだったと記憶しています。

『ふみ子の海』の時代設定は昭和10年頃で、今と比べれば社会全体が貧しいという事になりますが、自動化された機械で作られた麩をスーパーで買って食べことしかできない現代よりも、例え生産量が少なくても、焼きたての麩が食べられた昔の方が豊かなのではないかと感じました。(というか、映画に出てくる麩が美味しそうで、実は最初フランスパンかと思ったのです。)

このところの地震の報道を見ると、食品の買い溜めをスーパーやコンビニでしかできない今と貧しいながら保存食品(麩、切り干し大根・・等々)をうまく使った昔でどちらが豊かなのかと考えてしまいます。

もっともお麩屋は今でもあり、『ふみ子の海』の麩のシーンに関しても映画のロケを行った上越市稲田にある『水野製麩店』を見て映画の台本を変更したようです。(『ふみ子の海』撮影風景の3月29日を参照下さい

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